SEOとの関係性。直帰率が高い、離脱率が高いと順位は落ちる?
公開日:
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最終更新日:2015/06/08
SEO
この記事では、一般的なWEBサイトやLPへオーガニック経由でアクセスがあった場合の直帰率や離脱率が順位へ影響するかについて書いています。
直帰率の言葉の定義については当文末に。改善方法を探している方には非常に理解しづらい改善のヒントを記載しております。
結論
直帰率や離脱率は順位の決定要素や検索結果の多様性に影響を与える
この要素の詳細を理解し、ポジションを再検討する
直帰率だけを見た場合、サイトの本質的な価値は理解出来ません。
ユーザーの探している情報をピンポイントかつ最上部に掲載していた場合、直帰率や滞在時間はこの影響を受けます。
また、比較を行っているユーザーが多く訪れているのであれば重視すべき指標は再訪問率です。
直帰率は極端に高くとも、再訪問率も高いサイトは上位表示されており、他社よりも優れた条件で商品を販売しているサイトと言えるでしょう。
つまり、ここまでのお話で伝えたいことは、
検索ユーザーはタイプがあるということです。
いくつか例を挙げてみます。
- ブランド公式サイトを探している
- 最安値のキーボードを買いたい
- 一番吸引力の強い掃除機を探している
- 電球を誰が発明したか探している
- 明日使うOA用紙を買いたい
1のユーザーは『ナイキ』や『グッチ』と検索するかもしれません。彼らは1位にブランドサイトが表示されると満足し、2位以降のサイトを確認することは少ないでしょう。
2のユーザーは、価格を調べています。時間や労力の許す限り複数のサイトで価格を確認します。また、楽器のキーボードとPC周辺機器のキーボードが検索結果に混ざれば即時ブラウザバックを行うこともあるでしょう。
3のユーザーは、掃除機のスペックを調べています。上位表示サイトに有名メーカーの掃除機を一覧で表示し、スペックの比較表を載せていた場合、下位サイトへの訪問数は減るかもしれません。
4のユーザーは、百科事典を探しているかもしれません。Wiki情報を確認し満足するとブラウザを閉じるかもしれません。もしかするとでは蛍光灯を発明したのは?となり再検索を行うかもしれません。
5のユーザーは、明日中に届くことが最重要だと考えるユーザーです。近場ならば取りに行っても構わないと考えている場合もあります。過去の用紙購入価格と比較し、大差ない価格であり、当日発送翌日午前着が可能であるショップを見つけた場合、下位のサイトを確認せずその場で購入に進むかもしれません。
ここまでの例を詳しく見てくる中でご理解頂けたかと思いますが、検索するユーザーにはタイプがあり、10秒しか滞在せずとも、直帰したとしてもユーザーニーズを満たしたサイトはあります。
つまり、直帰率が80%を超えたら順位が落ちるわけでも、直帰率が10%だから順位が上がるわけではありません。
要素の詳細を理解頂いた上で、
- 検索結果はどうあるべきか
- 上位表示されるサイトはどうあるべきか
を確認しましょう。
検索結果はどうあるべきか
本来、検索結果の2ページ目以降を確認するユーザーが存在しないことが検索エンジンの理想です。
検索ユーザーの希望を満たす結果がなかったり(検索意図と検索結果のずれ)、検索結果を信じずより多数のサイトを確認する必要(検索結果と価格ソートの違い等)があるため、ユーザーは2ページ目以降も確認する場合があります。
では、1ページ目だけでユーザーの検索ニーズを満たすには、どうする必要があるでしょうか。
それは、検索意図を多角的な視点で捉え、検索結果に一定の多様性を与えることで叶えられます。
ひとつの検索語句を例に示し、話を続けます。
ex)煮物 調味料
上記キーワードで検索するユーザーのニーズはどのようなものか書き出します。
- 煮物のレシピを確認し、調味料の入れる順番や量を確認したい
- 煮物に使う調味料の名前が思い出せないので確認したい
- 煮物を作りたいので調味料一式を通販で購入したい
- 煮物に使われる調味料が地域によりどういった特色があるか知りたい
- 既に混ぜあわせた煮物専用の液体調味料を探している
- 煮物に使われる調味料メーカーのホームページを見たい
- 食堂で煮物の味付けが薄いと感じた時にはどの調味料を足すと良いか知りたい
ざっと書きだしただけでも多様なニーズが想像できます。
では、実際の検索結果を見てみましょう。
煮物 調味料 Google検索(新しいウインドウで開きます)
検索結果の1位~10位をそれぞれ見てみます。
(下記9/1時点での検索結果タイトルのみです。)
- 誰でも美味しくできる味付けの黄金比 – NAVER まとめ (1)
- 煮物で基本的な調味料の割合があったら教えて下さい … (1)
- ずぼらな人間でも黄金比率さえ覚えれば、あとは2工程で大抵の … (1)
- うす色タイプの煮物調味料新発売! – フンドーダイ通信 … (5)
- 和食煮物の基本と約束事 – 手前板前 (1)
- 和食の基本料理・和食の基本的味付け一覧 – 手前板前 (1、2)
- 基本の味付け – KATSUYOレシピ – 小林カツ代のNo.1家庭料理 … (1)
- 煮物の作り方、味付け方、コツは? – おたまdeクッキング! (1、2)
- 失敗しない!おいしい煮物が簡単にできる煮物調味料 (1)
- 誰でも簡単プロの味!これだけは覚えておきたい味付けの黄金 … (1)
かなり結果で漏れているニーズがありました。
念のため、1ページ目に出てこなかったニーズ向けのサイト順位を追いかけてみます。
(3)煮物を作りたいので調味料一式を通販で購入したい
14位:Amazon.co.jp: フンドーダイ 煮物調味料 1L: 食品&飲料
通販ニーズは強いはずですが、ページ数が多く、コンテンツパワーのあるQ&Aサイトやレシピサイト、まとめサイトに上位を独占されている感があります。
(4)煮物に使われる調味料が地域によりどういった特色があるか知りたい
圏外
更に複合で+地域差、+郷土料理 等とすることでカバーされるべきニーズと考えられているようです。また、一部上位表示サイトの中には薄口を望む方へのフォローをレシピに含めている場合がありました。これらを複合すると今後も該当ニーズに対応するページが検索結果の多様性を保つために上位表示することは難しいと考えます。
(6)煮物に使われる調味料メーカーのホームページを見たい
12位:ほんだしR 煮物上手R|商品情報|味の素株式会社
検索語句を足すことで、味の素のほか日本食研のサイト等が表示されました。
これはメーカーに頑張って頂きたい。調味料メーカーが調味料の複合で上位表示していない状態は望ましくない。
(7)煮物の味付けが薄いと感じた時にはどの調味料を足すと良いか知りたい
圏外
レシピサイトと同一ジャンル扱いとなっていると感じます。
成功する味付けを紹介するのがレシピであって、失敗作を改良する追加調味料は完全に別ニーズですが、検索エンジンは同一視していると考えられます。当然、複合キーワードの足し方で望む検索結果を得ることは出来ますが、多様性の面では物足りなさを感じます。
さあ、話を煮詰めるぞ(煮物だry
ここまでたらたらと書かせて頂きましたが、重要な部分が見えてきたかと思います。
・検索結果は多様性が保たれるべきであり、多くのユーザーが望む情報を掲載するサイトとそうでないサイトでは滞在時間や直帰率は平均値が異る。
・検索語句と関連性が薄い、またはニッチ過ぎる検索意図をフォローするサイトは同キーワードにおいて直帰率が高まり、順位決定に対しマイナスに働く場合がある。
追記:2014/09/03
当ポストを読んでくれた友人に、『で?その根拠は?』というシンプルな質問を頂いた。
SEOエンジニアにとっては非常に有名なGoogleが2003年に発表した論文(公開日2007年)に『Document Scoring Based on Document Content Update』というものがある。
簡単に言えば、コンテンツやサイトをこんな視点で評価対象に出来るといった論文です。
その中に、GoogleはGoogle検索からのユーザーの動きをモニター出来るよ!と言っている。
また、滞在時間が前年、昨月、サイト編集前と比べてどう変化したかをモニターすることが出来ると言っている。
現在のGoogleは自前のSNSとブラウザを持っていますから、より細かなモニタリングが可能であることは言うまでもありません。
※Google Analyticsも忘れちゃいけないですね。Analyticsデータを順位決定要素として用いるとの考えは誤解ですね。
同列で記載されているサイトの更新頻度や被リンクの時間軸に関するアルゴリズムは2014年現在、非常に重要度の高い要素になっています。
これらを理解した上で、サイトへの訪問時間や直帰率はモニタリングされている(評価要素になる)ことは当然だよね、とさらっと書いておりました。
反省しております。大変反省しております。GoogleもYahooもオンナジヤ オンナジヤおもっでえ!ウァアア”ア”ア”アアア—
-追記ここまで-
上位表示されるサイトはどうあるべきか
1ページ目に表示されたサイト群の中で多様性のひとつになるべきである。
多様性とは、検索意図に対するものであり、ターゲットとする意図が明確であればあるほど、ターゲットからもれたユーザーの直帰率は高くなり、該当したユーザーの滞在時間は長くなります。
故意に情報をページの深い位置に配置し、直帰率を下げる行為がSEOになることはなく、実存するニーズに対して、満たすコンテンツを用意することが重要となります。
直帰率とは?(言葉の定義)
はじめに訪れたページのみを閲覧し、他サイトや検索サイトへ戻るユーザーの割合
離脱率とは?(言葉の定義)
サイトを巡回する中で、そのサイトを離れた際に最後に見たページを離脱ページと呼び、そのページのPVと離脱数の割合を離脱率と呼ぶ。
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