2017年のSEOトレンド予測と重点対策ポイント
公開日:
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最終更新日:2017/01/01
SEO
2017年に注力すべきSEO領域、新たにキャッチアップすべきSEO要素、SEOの歴史を振り返りながら今後の予測を記事にしました。
目次
- 2011年から2016年の振り返り
- 2017年のトレンド予測と取り組むべきポイント
- SEO周辺領域への理解の重要性
2011年から2016年の振り返り
SEOにおける2011年から2016年の振り返りをしていきましょう。
というも、過去の歴史を理解することで
- Googleの目指すところ
- Googleの変化
への理解が深まり、2017年を考える上でも役立つと思うためです。
2011年のSEO
2010年にYahoo!JAPANがGoogleを採用したことで、SEO担当は実質Googleだけを注視すれば良い状況となりました。
(実質:Bingのシェア率が低いため。検索エンジンを見ずにユーザーを見ろといったお話はここでは割愛。)
いわゆる「ブラックSEO」の終焉期にあたり、乱暴に作成された人口リンクの効果が減少するなどSEO界隈がざわついた時期です。
この頃盛んに叫ばれたのがジャンルマッチした被リンクの存在です。
買い漁られたヤフカテサイトからの被リンクや海外サーバーでIP分散された被リンクに対し、過去ほどの効果が期待できなくなり、正攻法なSEOが再評価される風潮でした。
(そもそもブラックな手法だから、効果云々言ってるな!みたいなツッコミ歓迎です。)
2012年のSEO
2012年4月、ペンギンアップデートがやってきました。
ペンギンがやってくるより前に、リンクファームやサテライトサイトが次々インデックス削除されており、瞬間的な影響はさほどでもなかった記憶です。
(ペンギンアップデートとは、Googleガイドラインに違反するサイト又は違反が疑われる低品質なサイトの順位を下げるアルゴリズム更新です。一般にスパム行為である人口リンクやペイドリンクに対するアップデートと言われています。)
しかし、このペンギンと次のパンダにより、ブラックハットオワタな空気が濃くなります。
2011年に米Googleでリリースされた「パンダアップデート」
日本では2012年の7月18日に「パンダアップデート」がリリースされました。(7/18に公式アナウンス)
(パンダアップデートとは、低品質なコンテンツに対する評価を下げるアルゴリズム更新です。)
端的にこの年をまとめると、人口リンク終了、ワードサラダやコピペ終了といったところです。
2013年のSEO
多くの企業でリンク購入はヤバイといった認識が広がり、ホワイトハットSEO中心の世界に。
同時に、「検索ユーザーに役立つ情報」といった当たり前すぎる基本に立ち返る事が求められるようになりました。
そしてこの年の9月に「ハミングバード」がリリースされます。(厳密には9月にアナウンスがあり、この時点で既に導入済みだった。)
この時に皆が使った言葉は、「会話型」というもの。
検索語句を含むページを返すのではなく、入力されたクエリから検索者が探す情報を理解し、答えを返すという考え方です。
今で言う、「検索意図を理解する」Googleになったのがこの時です。
2014年のSEO
この年の記憶として大きい点は、「オーサーランク」です。
誰が書いたか、が順位に影響を与える時代となるのでは?と憶測を呼びました。(結果、著者情報は順位に影響なし)
またローカルビジネスへの影響が大きい機能やアップデートがあったのもこの年です。
Googleマイビジネスが公開され、ベニスアップデートもありました。
(Googleマイビジネスとは、企業や店舗の情報を掲載できる機能。)
(ベニスアップデートとは、地域性の強いクエリでは該当地域のサービスに優位となるアルゴリズム更新です。例として挙げられるのは宅配ピザの注文や近所の飲食店予約等です。)
もう1つ大きな点は、SSL/TLS推奨です。
暗号化通信(https)で安全なサイトであるかがアルゴリズムに組み込まれました。
効果は確認できないほど僅かですが、SSL化の流れは今後どんどん強まっていくでしょう。
2015年のSEO
2015年4月21日といえば、記憶に新しい「モバイルアップデート(モバイルフレンドリー)」が満を持して登場します。(スマホ検索時のみ)
(モバイルアップデートにより、スマホ端末から閲覧する際に、モニタサイズにあった文字サイズ等で表示されるかの判定があり順位への影響があります。)
2014年より、スマホ対応に関するアナウンスは度々なされており、Flashを使用したサイトだと警告文が表示されるなどGoogleとしては明確にモバイルユーザーを大切にしようとする姿勢でしたから、必然的な流れだったと言えるでしょう。
同時に、App Indexingや音声検索への関心も高まってきました。
(App Indexing=アップインデクシングとは、スマホ検索時に該当のアプリをインストールしていると、リンククリックでアプリに遷移するものです。同機能は2014年にAndroidのみで先行リリースされていましたが、2015年5月28日にiOSにも対応したことで、対応に乗り出すサービスが増え始めました。)
5月には、ウェブマスターツールの名称がSearch Console(サーチコンソール)に変更されました。
中身は変わらず名前だけ。
11月にあった「Google検索品質評価ガイドライン」の公開もインパクトがありました。
Googleは検索結果をより良くするため、人間による目視評価を行っており、その対応する人間のためのガイドラインが一般にも公開されました。
内容として真新しさはありませんでしたが、Googleが描く理想の検索エンジン像を正しく理解するのに役立ちます。
2016年のSEO
DMCAの悪用に関する話が話題になったのが2月。著作権侵害に対するGoogleの取り組みを逆手に取るようなユーザーに非難が集中します。(株式会社so.laの辻さんの言及は有名)
(DMCAとは、デジタルミレニアム著作権法のこと。無断転載サイトを検索結果から非表示にする為の申請を指すこともある。)
Google検索結果の右側広告が廃止されたのも2月です。
同時に、上部の広告枠が3つから最大4つ(一部クエリにおいて)に拡大されます。
SEO担当者の視点に限ると、1位でのCTRが下がるのでは?との不安が。リスティング広告担当者にするとCPCが上がるのでは?との不安が。
(CTRとは、ここでは検索結果上でのクリック率。CPCとは検索広告の1クリックあたり単価。)
キーワードにまつわるお話として、8月のキーワードプランナーに一部制限が設けられたことは重要でしょう。
AdWordsアカウントを持っていれば誰でも無料で利用できたキーワードプランナー。8月より入金・広告出稿のないAdWordsアカウントを対象に検索ボリュームがざっくりとしか取れなくなる変更が実施されました。
検索ボリュームの調査回数と広告出稿費のバランスがしきい値を下回ると、制限がかかる仕様となっていますが、しきい値に関する公式なアナウンスはありません。(数値が見えると悪さする人がいるでしょうから、今後も発表されないでしょう。)
9月になり、GoogleがAMPlifyキャンペーンを始めます。対象範囲の拡大や対応する広告サービスの増加、Google Analyticsを代表とするアクセス解析の対応に伴って、AMP対応したサービスが急増します。
特にニュースサイトやブログサービスにおいて顕著で、この流れは当面続くと見て良いでしょう。
(AMP=Accelerated Mobile Pages=アンプとは、モバイルからのページ表示速度を早める仕組みを指します。AMPプロジェクトは2015年10月にGoogleとtwitterが中心となり開始されました。日本でのAMPが検索結果に登場したのは2016年2月より。)
同月(9月)にペンギンアップデート4.0が実施されました。
約2年ぶりの更新(前回は2014年10月)であったことに加え、以降はリアルタイムでの更新となることが発表され、今後は更新に関するアナウンスがなくなるものと思います。
2016年と強く言うことは少し違和感がありますが、アンサーボックスへの注目が高まった一年でもあったと思います。
ナレッジグラフカードにフィードバック機能が実装されたのが2月。検索結果がスマホに合わせて1カラムになったことから強調スニペットへの関心も高まりました。
そして年末まで騒がしかったのが、いわゆる「キュレーション問題」
著作権の侵害は当然悪ですし、生命や財産に関わるジャンルで情報の真偽に疑問の多いコンテンツが大量に上位表示したことは悩ましい問題でしょう。
しかしSEO技術に限ればアッパレな話で、私も非常に研究対象にさせてもらいました。
ここまでの過去の流れまとめ
- ブラックSEOは概ね排除されつつある
- デスクトップからスマホへ
- 検索キーワードから検索意図へ
- 表示速度とセキュア環境重視へ
- 検索エンジンは言葉の繋がりを理解しつつある
2017年のトレンド予測と取り組むべきポイント
過去を見ると未来が見えてきます。
ここからは、今年(2017年)重要となるであろうポイントを見ていきましょう。
内部要因と外部要因のウエイト
まだまだ被リンク要素は大きな順位決定要素ですが、人口リンクのコスパの悪さはより一層強まるでしょう。
検索エンジンに関わる仕事をするものとして、人口リンク(ペイドリンク)は悪だと言い切らねばならないのでしょうが、経営者視点やプロダクト責任者視点で見るといつまでたっても【コストと効果とリスクのバランス】であると考えてしまいます。
ただ、2017年現在で考えるならば
リスク > 効果-コスト
との判断を下す企業やプロダクトが大半だと言えると思います。
※超小規模サイトや立ち上げ間もないプロダクトで、予算もなくスピードを意識せざるをえないような特殊ケースを除いては。
主流は、ユーザーにとって価値ある情報を用意することと、検索エンジンに正しく伝えることへの対応となるでしょう。
※つまり、内部やコンテンツのウエイトが高まるというお話。
構造化マークアップ
前項に関連して、正しく伝えるマークアップ。特に構造化マークアップへの対応は重要度が増すと思います。
今更かよ!といったご意見も聞こえてきそうですが、アンサーボックスへの関心が強まっている流れやAMP実装時の構造化マークアップ(ニュースカルーセルへの表示時など)、再度強く意識する一年になると思っています。
モバイルファーストインデックス(MFI)
モバイル対応からモバイルファーストへの進化の年になるでしょう。
これは誰もが認めるところかと思います。
(MFIとは、現在のデスクトップ用サイトからモバイルサイトへメインの評価対象が変更されることを指します。今はPCサイトの評価をスマホ検索の順位にも転用していますが、これが逆転しスマホサイトでの評価をPC検索時の順位に転用するというものです。PCサイトしかないとヤバイ?といったお話はここでは割愛しますが、そこまで大きなインパクトのある変更ではないかと思いますので、ゆっくりと今のうちに学んでおきましょう。)
スケジュールが気になるところですが、現状Google自身も明示できない状況であろうかと思います。
大凡の予定としては、3月後半から5月でのリリースが現実的ではないでしょうか。
サイト表示速度
現状、順位への影響は極小とも言えるサイト表示スピード要素ですが、MFIとなることで影響度合いが高まる可能性があります。
表示に数十秒かかるようなサイトは論外としても、表示が2秒なのか3秒なのかを重要視する時代がそこまで来ていると感じています。
これは、表示速度が順位に対し大きな影響を与える未来がすぐに来るといったものではありません。(残念ながら)
後述しますAMPとも関連しますが、モバイルからトラフィック割合は増え続けることは確実で、多くの企業がモバイルへの最適化に投資を加速させます。
モバイルにおけるUIやUXへの関心が高まる中で、表示速度の改善が平均PV・SNSシェア率・被リンク獲得率へ貢献することが明確になってくるでしょう。
競合サイトが優れた表示速度を実現するほど、あなたのサイトは遅く感じられることでしょう。つまりどうなるか…というお話。
AMP
これは切っても切れないテーマでしょう。
私自身、今のところ一部業種を除き(*1)積極的な対応が必要な時期にはなっていないと思っています。
(いくつかのメディアで実験した数字が良くなく、ふてくされている私がいます。)
しかし、AMPプロジェクトのロードマップを見る限り、必要性が出てくるのでは?と考えています。
仕組みが十分に整った時、AMP対応が順位決定要素に含まれたとしたら。(2017/01時点では、AMP対応によるSEO効果はなし。)
ユーザーの利便性を考えると、可能性は十分にあると思いますから、苦手な内容でも(AMP JSとか)勉強を始めておく必要があるでしょう。(自戒の念)
*1:ニュースサイトのようなカルーセル表示で恩恵が得られるならば積極的にと言える。
SSL/TLS
2014年にアルゴリズムに取り入れられてはや3年目。
そろそろhttpsサイトも増えてくるでしょう。
増えるであろう要因はいくつか挙げることが出来ます。
新規サイトはhttpsで!の流れ
これは肌で感じるところです。
httpsでの実装に関するブログ等も増え、先人の知恵も豊富になってきたことが影響しているのでしょうか?
メディアサイトも常時SSLへ
広告を販売するメディアもクライアントサイトのhttps化を受け、ジワジワ実装出来る環境になってきたように思います。
まだまだ対応が重く、後回しになっているサービス(ここでいうクライアント側)も多いですが、大手はだいぶ進んだ印象です。
アプリ起因
後述の「プログレッシブ・ウェブ・アプリ」との関わりはひとつの要因になると思います。
また、ウェブメディアのアプリとなった場合にも、サイトはhttpでアプリはhttpsといった歪な形も不自然かと思いますから、アプリ起因は大きいでしょう。
費用
SSL証明の価格も安価なものが増えてきた点があります。
Let’s Encrypt(無料でSSL証明書を発行し、SSL化を進めているプロジェクト)のような存在も気になるところ。
HTTP/2
このあたりの知識に疎く、情報がアバウトで申し訳ないと先に謝りつつ。
HTTP/1.1からHTTP/2への移行が進みそうで、結果としてネットはヒュンヒュンな速度に近づいていくと。
FirefoxやChromeはHTTP/2では暗号化を必須としているので、サイト側がhttps(TLS)でないといけないわけです。
つまり、暗号化通信って遅いよねーみたいな意見は死語で、暗号化通信はヒュンヒュンだよねーがナウい感じになりそうです。
ブラウザ
これが意外に大きいと思っています。
まず1点は、ガラケーシェアの下落です。古いガラケーブラウザはSSLすら非対応が多いです。
IE6だとTLS1.0非対応なんです問題(そんな呼ばれ方はしていない)などもあり、エンジニアさんが頭を抱えていました。
WinXPのサポート終了から間もなく3年ですから(4月9日で丸3年)頃合いとしてはベストだなと。
以上のことからも、SSL/TLSの普及は進む一年になると思っています。
プログレッシブ・ウェブ・アプリ
SEO領域と呼ぶべきか少し悩みましたが、この要素への関心は一層強まる一年になろうと思います。
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がなくなるとは思っていません。しかし、「うちの業種はアプリ向かないんだよねー」と言っていた方々こそ、気にかけておけておきたいお話です。
インタースティシャル広告
ページ単位での導入となるインタースティシャル広告への制裁。2017年1月の導入で慌てるサイトはさすがにないとは思いますが、1モバイルユーザー視点で嬉しい変更となりそうです。
コンテンツが大切にされる1年となるでしょうから、阻害する要素への制裁は、非常に楽しみです。
少しずれますが、スマホサイトでは会員登録が必要なメディアや、スマホサイトでは必要以上にページを割っていたメディアがMFIでどう変化するか、今から楽しみで仕方ありません。
SEO周辺領域への理解の重要性
ここまで2017年がどうなるかを見てきました。
同じお考えの方も多いかと思いますが、SEOチームが単体で活躍できる時代ではなくなりました。
他の部門やチームとの連携がますます重要になってきています。
私が偉そうに講釈たれる話ではないのですが、この記事を読んでくださっている方が、年のはじめに考える機会になればと思い、書かせてもらいました。
PR
SEOが貢献できる範囲は、「ユーザーが検索した後」だと考えるのが一般的です。
対するPRは、チャンネルを回せば情報が入ってくる、毎朝新聞が届く、と考える受動的なユーザーに対しアプローチできる機能です。
どのような情報ならメディアが届けてくれるのか、この情報が届くとどのような検索が生まれるのか、といった視点をSEO担当者が持てると良いなと思っています。
セールス
ユーザーとの接触起点やコンバージョンまでの経路が容易に把握できるツール類が増えたこともあり、DoキーワードでのシンプルなSEOだけでなく、オウンドメディアを代表とする顧客接点への価値も正しく評価出来るようになってきました。
伴って、PV主義に走り、キャッシュに貢献しないSEOとならぬよう注意がより必要になりました。
セールスチームとの連携や理解が重要となるのは、実際の顧客と事前に定めたペルソナの乖離がないかを確認するためです。
SEO担当者が獲得してきたリストが、当初の狙い通りなのか、または修正が必要なのかは随時確認したい項目です。
(ウェブ上で完結するサービスで、顧客との対面コミュニケーションがない場合には、より近しい業務の方を対象にすると良いと思います。)
サポート
最後に取り上げたいのは、「サポートチーム」との連携と理解です。
既存顧客からの問い合わせは、製品に関する不明点だけでなく、業界の課題やニーズが隠れている場合があります。
また顧客が「分からない」と思うことにヒントが隠れていると言えるでしょう。
最もシンプルなことで言えば、FAQの充実です。
オーガニック経由で顧客の疑問を解消できれば、サポートチームの負担軽減と顧客の満足が同時に叶えられます。
他にも、業界特有の「キーワード」が問い合わせ情報には隠れている場合があります。
Knowクエリに応えるメディア制作時のキーワードリスト作成時に役立つのではと思います。
(個人情報の取扱に不慣れなSEO担当者が十二分に注意を。)
まとめ
今年は、大きく分けて4点に意識して業務が出来ると良いと思います。
- モバイルファースト
- 安全性
- 表示速度の改善
- 検索エンジンに伝えるマークアップ
なんかもう、「ユーザー体験の最適化」で話が済んでしまいそうですね。
あなたの思う今年の最重要はなんですか?
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