酒類1位のサントリーから学ぶ!B2B事業をオウンドメディアで成功させる方法

公開日: : 最終更新日:2015/06/08 コンテンツ, マーケティング

   
 
   

B2Bオウンドメディア事例

2/12にアサヒHD、キリンHD、サッポロHDが決算発表しました。
詳細については多く報道されており、本投稿では触れませんが16日発表予定のサントリーが業界1位になるそうです。
その酒類業界トップとなったサントリーが保有するオウンドメディアがいくつかあります。

今回は、このオウンドメディアについて掘り下げていこうと思います。
B2B事業を行う企業にとって、参考となるメディア構築の視点に触れています。

サントリーはB2Cじゃないの?

プレミアムモルツサントリーの販売する商品は、プレミアムモルツやウイスキー山崎、缶酎ハイのストロングゼロなど皆さん馴染みのある商品が中心です。
であれば、B2Cじゃないの?
と感じるでしょう。

しかし、酒類を代表するビール。
特に大口の販売先となる居酒屋への営業はまさに法人営業です。
国内大手チェーンの状況を少し覗いてみますと、

  • モンテローザ(笑笑や魚民など)・・・ビールはキリン一番搾り、ウイスキーは山崎や角瓶、トリス等でサントリー
  • コロワイド(甘太郎や牛角など)・・・アサヒスーパードライ、エクストラコールド等でアサヒ
  • ワタミ(和民など)・・・プレミアムモルツ等でサントリー
  • 大庄(庄やややるき茶屋)・・・アサヒスーパードライ、地域によりウイスキー銘柄は異なる(4社商品バラバラ)
  • つぼ八(つぼ八や新八など)・・・アサヒスーパードライ、ウイスキーは角や竹鶴(サントリーとニッカ)、焼酎にトライアングル(サッポロ)
  • チムニー(はなの舞やさかなや道場など)・・・一番搾り、I.W.ハーパーで共にキリン。一部業態ではスーパードライとジャックダニエル(アサヒ)への入れ替えが進む
  • 鳥貴族(鳥貴族など)・・・プレミアムモルツや金麦でサントリー

このような状況です。
株式保有率に応じて割合を調整している場合や、協賛金で熾烈な争いが起きているチェーンもあるようです。
※協賛金とは、ビールを自社ブランドに乗り換えてもらうことでメーカーが店舗へお金を支払う仕組み。これは大手チェーンに限らず、小規模な個人経営の居酒屋相手でも行われています。

各社少しでも多く自社商品を陳列してもらえるよう、必死の交渉を行っていることが分かるかと思います。
このことからも、ビールメーカー(酒類業界)はB2Bの側面もあることがご理解頂けましたでしょうか。

小規模店舗向けの販売力

やはり2000店舗を超える大手チェーンや、300店舗を超えるチェーンのビールを全て自社ブランドにすることは大きな出荷量の伸びに繋がり魅力ですが、個人店や数軒で展開する小規模飲食会社も大切な顧客です。

オーナー店長が現場に立つような個人店への営業で圧倒的に強さを発揮しているのが『サントリー』です。
販促に掛けるコスト面での優位性もありますし、営業マンの数もさすがです。
しかしそれだけではありません。サントリーは自社商品が自然とバーに並ぶ仕組みを持っています
それこそが今回のお話の中心であるオウンドメディアです。

サントリーのオウンドメディア

サントリーのオウンドメディアでこれは優れている!というサイトがあります。
それが、
BAR NAVI』です。
このサイトに掲載するには条件があります。それはサントリーブランドのウイスキーを一定種類ラインナップすることです。
山崎や白州、バランタインや響もサントリーブランドですからある程度の種類を揃えているお店であれば簡単に条件はクリアです。
(言い換えれば、種類が不足する場合にはメニューにサントリー商材を追加する必要が出てきます。サイト掲載が魅力であれば、店舗から取引を希望します。)

BAR NAVIは上位表示している

銀座バーでの検索結果都内の一部エリアキーワードで順位を取得してみました。
秋葉原 バー・・・2位
神田 バー・・・3位
御茶ノ水 バー・・・2位
銀座 バー・・・1位
新宿 バー・・・4位
圧倒的な上位表示力です。
多くの店舗経営者がBAR NAVIに掲載したいと考えるのは、ここに一因があるでしょう。

BAR NAVIは取材力が凄い!

このサイトの特徴として凄いのは、店舗側に掲載情報を任せっきりにしない点です。
掲載前に、カメラマンが店舗を訪れ、店内撮影をします。
お酒やフードの写真も撮ります。
お店はメニューやセールス文を用意し、サントリー本部へ送ります。

あとは公開されるのを待つこととなりますが、これが無料です。
サントリーは正確な情報と魅力的な写真をコンテンツにするためコストを掛けていますが、閲覧するユーザーからも掲載する店舗からも費用を徴収しません。
取材時に写真を撮っているカメラマンさんにお話を伺う機会が昔ありまして、その際に聞いた話では日本全国を飛び回っているそうです。ちなみにサントリーの社員ではなく、フリーのカメラマン兼取材ライターさんでした。

B2B事業を行う者が参考にすべき点

barnaviのキャプチャー
サントリーの成功事例から学ぶべき点は多くありますが、最大の点は、

顧客が
顧客を
得るための
メディア

であろうとしている点です。
どういったメディアを構築すれば見込顧客との接点を増やすことが出来るのかといった一般的な視点ではなく
顧客が求めているメディア、掲載して欲しいと思うメディアとは何なのかを追求し、結果として飲食店に新規顧客が来店し、サントリー商品を注文するという最高のメディア形態になったわけです。

あなたのビジネスにおいて顧客が一部の業界に集中するのであればその業界のメディアを、顧客の業種がバラバラであればあなたの販売する商材が活躍する場や時間、タイミング、誰と一緒になどなど『最適な場』の実現に寄与するメディアを考えてみるのも1つでしょう。

 

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