最適なリスティング広告費用の算出方法

有料リスティング広告（PPC広告）をうつ場合に、最適な広告費用（予算）を事前に考える必要があるかと思います。

最適な広告予算の決定方法は、一般的に次の式を利用し算出します。
1件の成約コスト　×　月間希望成約件数　＝　月間広告予算

それぞれの項目について、更に詳しく見てきましょう。

1件の成約コストとは？

あなたが化粧品を売っているならば、トライアルセットを1セット売るためにかけられる広告費用を指します。
あなたが司法書士であれば、1件の来所相談予約を獲得するためにかけられる広告費用を指します。
これは、必ずしも商品やサービスが”売れる”ことを成約とする必要はありません。
不動産等の高額商品を販売するケースでは、月間では測ることが難しいケースもあるでしょう。
このような場合、資料請求の獲得や電話問い合わせの獲得、不動産の内見獲得など契約の一歩または数歩手前を成約ポイント（成果ポイント）と定め、そこにかけられるコストを算出することが望ましいケースに該当します。

化粧品のトライアルセットであれば、リピート率を勘案しコストを設定する場合もありますし、司法書士のケースでは来所相談からの平均契約額を元に成約コストを計算する場合もあるでしょう。

不動産の場合あれば、いくつかの確率を元に計算することもあるかと思います。例として、
－平均手数料収入が100万円
－販売契約1件にかけられる費用を20%
－資料請求から契約成立に至る率を1%
その結果、資料請求1件にかけられる費用は、
100万円×0.2×0.01＝2,000円
となります。
月間に50件の資料請求を獲得したのであれば、先の式に当てはめ
2,000円（1件の成約コスト）　×　50件（月間希望成約件数）　＝　100,000円（月間広告予算）
となります。

月間希望成約件数とは？

成約コストを定める際に設定した”成果ポイント”をどれだけ獲得するかになります。
前項の例で言えば、不動産の資料請求を50件という数値が月間希望成約件数となります。

これは他媒体からの集客を加味した上で、社内リソースや在庫に問題の起きない数字を設定するのが一般的です。
司法書士の例に当てはめると、月間に30件の相談対応が限界値であれば、その数値以下を希望成約件数にする必要があるしょう。

このため、一般的には月間希望成約件数は小さな数値からリスティング出稿を開始し、徐々に数値を上げていく（成約獲得数を伸ばして行く）ケースが多くなります。

月間広告予算とは？

上記までをご覧頂きご理解頂けた通り、1件の成約（または成果）を獲得するのに必要となるコストと、月間で受注したい成約数をかけて予算を算出します。
ただし、多くの場合で計算はより複雑なものとなります。
その理由は、1件の成約を得るためのコストは流入させるキーワード（ここではリスティング出稿を行うキーワード）により成約率や顧客の属性が異なる場合があるからです。
それは各キーワードからの流入ユーザーとランディングページ（広告のクリック先URLページ）の質や想定しているターゲットとのマッチ具合によっても差が出ます。

・このキーワードはクリック単価が高いが成約率が高い
・このキーワードは検索数が極端に少なくターゲットしてランディングページを作るほどではないが、成約した場合の顧客単価が著しく高い
など、一目見ただけでは魅力的でないキーワードであっても広告出稿者にとってROIが優れたキーワードの場合もあります。

出稿当初の予算は基本となる掛け算での予算にてスタートし、各キーワードや属性別でのCVR（コンバージョンレート）、ランディングページ別でのCVRを収集し、徐々にCPA（コストパーアクション）を高めていくのが望ましい姿です。