オールドドメインのSEO効果はある?中古ドメインを使うメリット・デメリット
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ドメイン
さて、今回のお話はオールドドメインです。
この言葉の定義は少々曖昧ですが、
- 取得してから期間が長く経過しているドメイン
- はじめて登録された年月日が古いドメイン
- 利用した後ドロップし、第三者により取得されたドメイン
ここでは、1~3全てをまとめてオールドドメイン(又は中古ドメイン)と呼びます。
簡単に言えば、ドメインに歴史があったらオールドドメインと呼ぶといったところです。
歴史の重要性
会社もお店もホテルもドメインも歴史は大切な評価要素です。
先日、虎ノ門にあるホテルオークラに行ってきました。
1962年に開業したホテルオークラの本館が建替工事と聞いて、食事に行ってきました。
時間が経過しても美しい内観も見納めとあって、多くの方で混み合っていました。
多くのユーザーに愛されていたからこそ長くにわたって営業を続けてこれたわけです。
言い換えれば、ユーザーの支持無くして歴史を重ねることは出来ません。
これはホテルに限らず、会社でも店舗でも同じことが言えます。
Googleは、サイトに対しても『歴史』という視点を持っています。長きに渡り更新、修正を重ねて進化し続けるサイトはユーザーあってこそだと考えるためです。
つまり、ドメインをはじめて取得した日から歴史がはじまり、長くなるほど愛されているサイトだと考えることが出来ます。
例に上げたホテルと大きく違う点は、歴史を重ねることへのコストです。
数百室あるホテルは、運営することに莫大な費用が掛かっていることでしょう。
しかし、ドメイン代は非常に少額ですから、大したアクセスもなく手間もかけていないサイトの歴史価値を大きくプラスに見積もることはありません。
今回の記事では、この『ドメインの歴史の重み(効果)』と『中古ドメインを再取得することのメリット・デメリット』を見ていきます。
オールドドメインにSEO効果はあるのか?
あります!
いきなり言い切ってみました。
もう少し正確に表現すると、
あります!*1
*1:取得後の経過年数によるSEO効果はほぼ確認出来ず、コンテンツが公開されていた期間やとても昔にはられたリンクや最近はられたリンクといったリンクエイジの分散があるとリンク効果プラスアルファが期待できます。
と、なります。
ですから、ドメインエイジに価値があるというよりは、コンテンツエイジやリンクエイジを求めると自然とドメインも古くなるよねって事です。(※エイジは”年齢”と読みかえ出来ます。)
どんなオールドドメイン(中古ドメイン)を取得すると良いの?
ががっと箇条書きにして、下で追記を入れていきます。
- リンクが付いているドメイン
- リンクのアンカーテキストが狙っているキーワードまたは関連語のドメイン
- 被リンク元が貴重なサイトのドメイン
- キーワードが含まれているドメイン
- 言語が同一(元も日本語)のドメイン
- リダイレクトを行っていなかったドメイン
- ペナルティーやスパムの歴史がないドメイン
- 多くのインデックスページを保有していたドメイン
リンクが付いているドメイン
これは当たり前ですね。
ただリンクが付いているだけではなく、本サイトであってもサテライトサイトであっても
『リンクのアンカーテキストが狙っているキーワードまたは関連語のドメイン』
被リンクのアンカーテキストがキーワードを含んでいると尚良いですねといった当然の話です。
あなたのサイトが『デザイン』をテーマにしているならば、被リンクのアンカーテキストに『オリジナルデザイン』や『パンフレットデザイン』といった『デザイン』を含むものがあると良いです。
類語や同義語でもかなり良いです。ここの例で言うと『設計』『図案』や『イラスト』『バナー』でも良いでしょう。
被リンク元が貴重なサイトのドメイン
加えて、被リンク元が貴重なサイトであったり、権威あるサイトであれば価値が高いです。
行政のサイトや教育機関サイト、上場企業のサイトや著名人のブログ等が挙げられます。nofollowリンクであっても、wikipediaリンクがついていたら相当に良いサイトであったドメインと言えます。
キーワードが含まれているドメイン
ドメインにターゲットキーワードが含まれることはプラスですから、ここでも同様に効果を期待できます。
被リンクのアンカーテキストがドメインとなるケースが多いことも合わせて考えると、今後増えるリンクのアンカーテキストにキーワードが含まれやすいと言い換えられます。
過去の被リンクがドメイン(URL)となっているケースも多いでしょうから、期待効果は高いです。
デザインであれば『design』、検索エンジン最適化であれば『seo』が含まれていると良いよというお話です。
言語が同一(元も日本語)のドメイン
元の運用が日本語だった場合と英語だった場合であれば、圧倒的に日本語での運用だったサイトが魅力的です。
というのも、言語の異なるサイトに対しリンクは集まり辛いことから、他言語のリンクについては慎重な扱いが必要です。
アルゴリズムとして言語要素がありますから、本サイトのドメインとして利用する場合、注意しましょう。
※実際には元英語コンテンツのオールドドメインでサイトを作って、英語サイトと認識されたケースに出会ったことはありません。どうしても日本語で運営されていたオールドドメインは絶対数が少ないですから、価値あるリンクのついたドメインは英語サイトに偏ります。この項目は気にし過ぎないように。
リダイレクトを行っていなかったドメイン
こちらも詳しい説明は不要かと思いますが、301リダイレクトを行った過去のないドメインを探しましょう。
ドロップ前に新ドメインへ301リダイレクトをかけていた場合、サイトの評価は他ドメインへ受け継がれていると考えられます。
抜け殻のようなドメインを取得しないためにも、リダイレクトの跡がないかはチェック必須です。
ドメインで検索をかけてみるとリダイレクトされていたドメインではリダイレクト先のサイトが表示されるでしょう。archive.orgのチェックと併用すると尚良いでしょう。
ペナルティーやスパムの歴史がないドメイン
こちらは言葉のままです。
SEOスパムを行い、ペナルティーを受けた過去やウイルス感染の歴史があるなど、マイナス要因を抱えたドメインは取得すべきではありません。
多くのインデックスページを保有していたドメイン
中規模、大規模なサイトだった場合、インデックスページ数も多く、確認しきれないだけで、実は下層ページに多くの被リンクを受けているドメインが存在します。
何よりインデックス数が多いドメインやアクセス数が多かったドメインは、伴ってサイト価値も高かった場合が多いですから、この点で調べてみても良いでしょう。
中古ドメインを取得し、利用するメリットとデメリット
ここまで、細かく選ぶべきドメインについて見てきましたが、オールドドメインの中でも第三者が利用していた過去のあるドメインをドロップ後に取得し利用する中古ドメインの利点やウィークポイント等を見ていきます。
中古ドメインのメリット
ひとつ上げるならば『時間軸のずれたリンク』です。
本サイトであっても、サテライトサイトであっても過去に遡ってリンクをうけることは出来ません。
※タイムマシンを持っている方を除く
今後、被リンクを増やしていくことは運営努力でどうにでもなりますが、数年前に戻ってリンクを貰うことは出来ません。
数年前よりリンクがはられているドメインを利用することで、このメリットを得られます。
勘違いされる方に、『1本のリンクのSEO効果が高いんですか?』と聞かれる方がいます。
長いことリンクがはられているとSEO効果が倍増するといったものではありません。
SEOはなんでも分散が大切にされます。
アンカーテキストも分散されると良いですし、被リンク元のIPアドレスもそうですね。
はられたタイミングも分散されると良いですが、歴史のないサイトの場合、分散できる幅(サイト開設から今この瞬間まで)に限りがあります。
ですから、数年前にはられたリンクは、この幅を一気に広げることに役立つわけです。
他にないの?中古ドメインのメリット
ほぼないです。
前半で紹介してきました各項を満たすドメインであれば、それぞれじんわりとした効果が期待できます。
ただ、メリットと言うほど大きなものでもありません。
PVがイコールで売上になるような利用方法であれば、アレクサランクで上位に入っていたようなドメインですと短期的にはトラフィックを取れるでしょう。(アドセンスサイトなど)
中古ドメインのデメリット
本来、中古ドメインにデメリットはありません。
しかし、これは先に挙げた項目をクリアしていたり、前ドメイン保有者が正しいサイト運営をしていた前提になります。
つまり、中古ドメインのデメリットとは、『過去にどのように運営されていたか分からない』ことが最大のデメリットであり、リスクでもあります。
いくつか例を挙げてみましょう。
自作自演リンクを大量につけていた場合
ドメインにいくつかリンクがついていたので、優良なドメインと誤認して利用を開始したところ、旧ホルダーの自演リンクだったケースです。
リンクが短期間のうちにはずれることもあるでしょうし、ひどい場合にはGoogleに捕捉されて破棄したドメインかもしれません。
コピーコンテンツを公開していた場合
コピペコンテンツを公開していたり、無価値であったり低品質なコンテンツを公開していた過去があり、サイト全体に対し、マイナス評価を受けている場合です。
サイトの一部が低品質なページであった場合でも、ドメイン全体で影響を受けます。また一度受けた評価は次回更新まで影響が残ります。
ドメインの取得タイミングによっては、あなたがページを公開した時点でも影響を受けます。この影響は順位にマイナスに働く影響です。
スパムメール送信に使われていた・悪質な利用があった場合
ドメインの価値を調べるだけでは気づくことが出来ない場合も多い、スパムに関する内容です。
もし、旧ホルダーがそのドメインのメールアドレスで迷惑メールを大量に送信していたとしたら?
どのようなマイナスがあるかは想像できますね。
他にもリファラースパムに使用されたドメインの可能性など、配慮しきれないリスクがあります。
この場合、本サイトとして使用するとブランドイメージを大きく損ないます。
他にもいろいろ
調べても気づかなかったが、どうやらリダイレクトをかけていたようで、ゴミのようなドメインを掴まされたり、再取得してすぐに全被リンクが消えたり、archive.orgでは確認出来なかったが元がアダルトサイトだったりとオールドドメインのデメリットやリスクは多数あります。
これらのマイナス面を理解した上で、利用するべきか考える必要があります。
不足点をちょっと補いつつ、まとめ
いくつかここまでで触れていないことに触れつつ、大事なポイントをおさらいしましょう。
オールドドメインを本サイトへ301リダイレクト
オールドドメインの価値を本サイトへどんどん移してしまおうという悪質なサイトオーナーがいます。
現時点でこの手法は使えません。
301リダイレクト、302リダイレクトは、『コンテンツが移動する』ことが前提です。
さらに言えば、ドロップした期限切れドメインをかき集めてもこの手法は成立せず、SEO目的でドメインをかき集めてきても効果はありません。
(厳密にはゼロではありません。ただリスクが高すぎます。)
ドメイン保有者が移った際に、サイト評価も移るの?
これはかなり質問を頂きます。
Googleはwhoisを見ているのか?と類似する質問です。
このあたり、私も数千のオールドドメインを見てきましたので感覚として。
1.Googleはドメイン保有者が移っても原則サイト評価は受け継ぐ
2.ドメインが一度登録期間切れするとフラグがたつ。引き継ぐリンク効果は極端に下がる
3.Googleはドメイン登録情報を見ているが、要素としては無視できるレベル
だと考えています。
結局どうすべきかまとめ
オールドドメインという言葉の定義が広いため、あえて限定した言い方をしますと、
- サイトをM&Aで購入し、利用するのであれば良い
- 一度ドロップしたドメインを再利用するのであれば、リスクが高くメリットは小さい
- ドメインの取得経過年数はさほど意味をなさない
といったわけで、ここ2年ほどで私も千ドメイン超を放棄しました。
特に6~7年ほど前からドメインエイジを意識してただ保有していたパークドメインはごそっと捨てました。
今後もこの流れは続きますし、オールドドメインのSEO効果は薄まると考えています。
興味程度でオールドドメインを利用するのは結構ですが、オールドドメインに過剰な期待をするのはやめましょう。
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